【必見!】20代未経験エンジニアに転職してみてわかったこと〜SESの待機期間や配属先はブラックか見極めるために(面接編)

 IT人材の不足が叫ばれる昨今。未経験の採用も積極的に行われています。20代未経験でIT業界に転職するとどうなるのでしょうか。実際に感じたことをお話しします。

IT未経験の求人のほとんどがSES企業

 求人にはIT未経験の求人がたくさん掲載されています。そのほとんどがSESと呼ばれる企業形態のものです。よく、求人票で勤務地のところに東京都内23区のプロジェクト先引っ越しを伴う転勤なしと書いてありますが、まさにそれがSES企業を見分ける指標になります。

 SESってブラックなイメージがある、自社開発の企業で働きたいという方も多いかもしれません。”自社開発”という言葉に私も惹かれていましたが、自社でサービスを持っている会社は優秀な即戦力となる人材、または新卒の学生を採用する傾向にあり、未経験の第二新卒・既卒の枠はほとんどありません。もし仮に入れたとしても力不足で居心地の悪い思いをする可能性があります。なので、未経験の中途はまずSES企業に入社し、いくつかのプロジェクトを経験してからより良い条件の会社に転職というルートが王道です。

 ではなぜ、SES企業は未経験の中途も広く募集しているのでしょうか。SES企業はよく耳にしますが実際どんな会社なのでしょうか。

SES(システムエンジニアリングサービス)は委託契約の一種で、ソフトウエアやシステムの開発・保守・運用などの特定の業務に対して技術者を派遣する技術支援サービスのことを指します。こう聞くと「SESって派遣契約のこと?」と考える人もいるかもしれませんが、派遣契約とはまた異なります。

SES企業のエンジニアはクライアント企業で働くことになるため、勤務地や勤務時間、仕事内容や服装などの条件は、現場によって大きく異なります。また、一般的にプロジェクトの規模が大きいほど大人数のチームで派遣されることが多く、プロジェクトの規模が小さければ1人で派遣されることもあります。未経験や経験の浅いエンジニアは、教育係も兼ねたベテランエンジニアとセットで動くことも多いです。

https://type.jp/et/feature/14654/

 SES企業は雇った人材を取引先企業に送り、その企業からお金を受け取ります。(単価といわれるもの。)そして、自社の社員に、単価から差し引いた分を給与として支給するしくみです。つまり、人を現場に送り込めば送り込むほど儲かる仕組みなのです。そこが自社開発企業との違いで、未経験の中途にも門戸を広げて、さらに研修制度を設けて育成まで行ってくれるのです。

 もちろんある程度力をつけた社員は転職することが多いので、離職率も高いのですが、承知の上で、自転車操業のように次々と人を受け入れて利益を出すという構造になっているのです。

 利益を上げたい企業と技術をつけたい社員の関係で成り立っているとも言えますね。

研修の内容は?福利厚生と待機期間について

 未経験を採用しているSES企業では入社したらよほどブラックでない限り、まず研修を受けます。自習形式や講師や先輩が教えてくれるところなどいくつか種類があります。それぞれどんな特徴があるかメリットデメリットを紹介します。

自習形式〜わからないところは先輩に聞くスタイル〜

 本や課題を渡されて自力で解いて、わからないところを先輩に聞くという形式の研修です。今まで選考受けた中でもこのタイプが一番多かったです。中には、専用のオンライン教材があってそれを自分で進めるというところもありました。このタイプは向いている人と向いていない人に別れます。

🟠向いている人
・自分で計画して学習できる人
・先輩に臆せず質問できる人
・自走力のある人
・周りに流されずマイペースに進めたい人

🟣向いていない人
・仲間と進めたい人
・気が緩みがちな人
・たくさん質問したい人

 自習形式は専門の講師がいないので、わからないところは先輩に聞く必要があります。その先輩が忙しかったりするとなかなか声かけづらいですよね。。業務中の先輩に質問することを負担を感じて一人で悶々と悩んでしまう人には向いていません。私はこれが大の苦手だったので面接の時点で自習形式か聞くようにしていました。

外部の研修に参加する形式

 これは他の企業の研修生とともに、外部の研修を受ける形式です。専任の講師がついているので、質問しやすく、また未経験の研修生と一緒に参加できる点がメリットです。しかし、外部のスケジュールに合わせる形になるので、入社時期によって受けれないという企業もあったので、要注意です⚡️

自社の研修に参加する形式

 自社の研修室で専任の講師に教わる形式です。講師は教えることが仕事なので、忙しそうで聞きづらい・・・といった悩みがないところが嬉しいポイントです。仲間もいるので切磋琢磨しながら学習できるところもメリットです。デメリットは先ほどと同じく入社時期が限られること、そして、ここまで手厚く研修に特化するSES企業は少ないというところです。

学習し続ける姿勢が大事!

 主な研修3パターンを紹介しましたが、研修が終わった後も自分で学習し続けることが求められます。むしろ研修で学習したことはほんの一部で、あとは業務や自学を通してキャッチアップを行い、日々自己研鑽することが大切になってきます。学ぶことが好きという気持ちが大きく伸びる要素になるので、研修はあくまで最初の一歩として、エンジニアになってもたくさん勉強する!という心意義でいるのが良いのかなと思います。

気をつけるべき点!これがあったら危ない企業かも?

私は現在の会社に転職するまでにIT企業の面接を8社受けています。その中で感じた所感と「ん?これは危ないぞ」と危険信号が発動した瞬間をご紹介します。

その給料、本当に大丈夫?

 働く上で大事なお給料問題。モチベーションにもつながりますが、残念ながらSESという企業の構造上、わかりにくかったり、騙してるように感じられる企業もあることは事実です。

基本給のからくりを見極めろ!

 これは有名な話ですが、月給と基本給は違うという話です。私が受けた企業の中には、月給24万円基本給15万円なんてところもありました。しかも内定後に初めて知り、そこでやばいと感じ辞退しました。まだ先方から話してくれたから良かったですが、入社前に何も言わずに後から知るなんて悲惨なことになる可能性もあるので要注意ですね。

 「でも結局24万円もらえるならいいじゃん」と思っている方、要注意です!ボーナスは基本給に対して支給されるので同じボーナス2ヶ月でも基本給が24万円なら48万円、基本給が15万円なら30万円と18万円も差が出てしまいます。

 また、昇給にも影響します。基本給が少ないと昇給幅も少なく、結果として生涯年収に大きな差が出てしまいます。そもそも、基本給を低くして他の職能給などでそれなりに見せかけている企業はあまり不誠実です!ここも事前にチェックしておくべきポイントでしょう。

ボーナスの計算方法が曖昧・単価を教えてくれない

 求人に賞与あり!と書いてあっても、その賞与は何を基準にどのように計算されて算出されたものか明確になっていることは少ないかもしれません。例え、2ヶ月分支給されるとしても、そこから交通費が引かれていたり、単価の70%支給と書いてあっても実際はそこから社会保険料や交通費などなど引かれて実質半分程度だった・・・なんてことも悲しいけれどあります。

 なかなかお金に関する話はしにくいし、ましてや未経験入社で育成してもらう立場で偉そうなこと言えないですよね。。企業も短期で離職することを想定して堂々と搾り取っている姿勢が見えて複雑ですね。これに関しては、

 思いっきり勉強して仕事して、会社にも貢献して、成長するんだーーー!

という意気込みで利益を上げたい企業と成長したい未経験者の構造のなかで成長していくという認識を持つしかないのかなと思います。実際、ここで思いっきり成長できたらそれは立派な財産です。

簡単に選考に通過する企業

 面接は何回受けても緊張しますよね。私も練習のためと軽い気持ちで受けた企業の面接でもガチガチになってしまったことがあります。御祈りメールの数も数知れず。。

 やはり面接で落ちると気落ちするものですが、あまりにもすんなり通過するのも考えものです。
実際にあったパターンについて説明します。

謎の口頭テストからの即内定。

面接官
面接官

今から試験を始めます。100から7を引いた数字を0以上の間答え続けてください。

受験者M
受験者M

はい、93,86,79,72,65,58…

面接官
面接官

はい、内定です。

受験者M
受験者M

?!?!?!(東京までわざわざ出向いたのにあっさり・・・!)

 びっくりしすぎて言葉が出ませんでした。会って20分程度の人間をそう簡単に正社員として雇って良いのだろうか?!私は嬉しいよりも戸惑いと疑いの気持ちが強かったです。入社後どうなるか怖かったので辞退させていただきました。

寝起きの人事担当、試験問題が昭和!

 会社説明と筆記試験を兼ねた選考会に参加しました。参加者は私もう一人の女性。開始時間を過ぎてから人事担当の方が部屋に来たのですが、目をこすりながらすっぴんでやる気のない方でした。出された試験問題も字体が古く、「お茶汲みする女性」などといつの時代だと言いたくなるような問題ばかりで、誰も作り直そうとしない雰囲気のところなんだなと感じました。

 求人サイトで見る限り良い会社に見えたのですが、結局入った後に苦労しそうだと感じ、内定を辞退しました。

面接で聞くべきチェックポイント!!

 それでは、面接で聞くべき項目についてまとめます!ここは逆質問の場などで遠慮せずどんどん聞いてください!

1.研修の形式を教えてください。
→期間や人数、方式やレベル感について詳しく聞く。

2.入社時期や入社人数を教えてください。
→企業規模にもよりますが、数百人レベルの社員を入れているところは少し注意してください。入社時期やどんな人が入社しているのかも聞いておくと良いでしょう。

3.待機期間の長さや給料形態について
→ブラックなところでは、待機期間中に給料が出なかったり、休職扱いで6割といったところがあります。そこも、面接の場ではっきりさせておくべき点です。また、3年目から給料が下がるところもありました。最初の2年は特別な手当で上乗せしていて応募者に魅力的にみえますが、途中からその特別な手当がなくなって給料が下がるというカラクリがありました。基本カラクリがあるところは要注意です。

4.残業時間について
→企業は基本残業代を支払いたくないので、あまり残業させないように取引先企業に話していることが多いですが、固定残業代のある企業は実際の残業時間のデータなどを見せてもらうと安心です。

5.先輩社員について
→実際に働く社員のことを知ることが一番です。面接で先輩社員と話すことはできるか聞いてみるのもよいでしょう。(少しハードルが高いですが。。)もしくは、先輩方の年齢層や男女比、勤続年数を聞いて見るのも有効です。

6.口コミをチェック
→いいことを並べた求人票よりも、リアルな企業を知ることができます。特にわざわざ口コミサイトに投稿する人は転職活動をしている、もしくは会社に不満がある人が多いのでより参考になります。ただし、小さな企業は母数が小さいので偏った情報が載っている可能性もあり要注意です⚡️

7.選考の基準
→どんな人に入って欲しいのか、選考の基準は何かを聞くとその会社の考えがわかるのでおすすめです。誰でもいいは論外ですが、どんな力が求められるのか知ることができます。

8.学歴について
→これはいろんな考えがあると思います。特にエンジニアはとにかく実力主義なので、学歴は入社後ほとんど関係なくなると思います。事実、学歴不問としているところも多いです。これに関しては、せっかく大学や専門を出たのだからという人は大卒、専門卒以上のところで絞るのも良いと思います。学歴不問=ブラックと断言できるわけではありませんが、やはり門戸を広げすぎていないところを選ぶという意味では有効な手段です。ただし、入社後は本当に実力主義なので、学歴不問で入ってぐんぐん力を伸ばす人も多くいます。常に学び続けるという姿勢を持ち続けるのが一番大切になってきます。

9.案件について
→配属先についても入念に聞いてみましょう。例えば、業務内容や同じ会社から何人が配属されるのか、またIT企業以外に配属される可能性はあるのか(重要!)、残業時間などのデータがあれば見せてもらう。

迷うなら飛び込むのも一案

 「転職」は人生が大きく変わるものなのでなかなか勇気がいります。「前の方が良かったと後悔するんじゃないかな」と心配になるものですよね。未経験の職種なら尚のこと。

 私も前職が公務員で安定していたのでその立場を捨てるのに抵抗がないといえば嘘でした。ただし、現在は転職したことに後悔していません。分からないことだらけで毎日勉強の連続ですがとても充実した日々を送っています。

 中でも転職して一番良かったと思ったことが、「給料をもらいながら勉強できる」という点です。学校を卒業して就職して普通だったら目の前の仕事に忙殺されますが、SES企業に入ったことで研修があったりと、じっくり勉強できる時間と環境を手に入れることができました。受験生の頃のような感覚になりますが、給料をいただきながらこのように3ヶ月、半年と勉強することができるのは間違いなく身になっています。

 SES企業は未経験OKのところが多いですが、年齢制限がある場合も多いです。多くは20代までをターゲットとしているので、もし迷っていたら一度飛び込んでそれから勉強していくというのもありだと思います。利用できるものは利用して、どんどん力をつけていきましょう

 もし、プログラミング向いていないなと思ったら20代のうちならまだ転職市場で優位に動くことができます。それこそ、国家公務員の募集要項も28~29歳までとなっているので、私もいざとなったら公務員に戻ることも考えています。

 転職に不安を持つ人も多いと思いますが、不安の原因を分析することと、逃げ道を作っておくと心に余裕ができるのではないでしょうか。今日が一番若い日です。後になって後悔するより挑戦してみるのも良い考えだと思います!

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