白人様に褒められたい国、日本 ― ホルホルが映すゆがんだ憧れの構造

白人が褒めると喜びが倍増する日本人心理

「日本のトイレは世界一!」「コンビニはどこにもない便利さ!」
こうした“日本すごい系”の番組は今でも定番です。

ただよく見ると、 褒めているのは決まって白人

たとえば人気番組のある回では、アメリカ出身のゲストが日本の自動販売機を絶賛していました。
その瞬間、テロップには「世界が驚いた!」とド派手に表示。

でも、同じ内容をアジア出身のゲストが話しても、テロップはつかないか、そもそも放送されない。
つまり「白人が言う=ニュース価値がある」という前提で編集されているのです。


なぜ白人だけ? ― 歴史的な背景

戦後、日本はアメリカを中心とした“欧米化”を進めてきました。

  • 英語教育に力を入れ、TOEICの点数が就職の指標になる
  • ファッション誌の広告モデルはほぼ白人
  • 「ニューヨークで人気」「パリで絶賛」などのコピーがブランドの常套句

こうした積み重ねによって、
「白人に認められる=世界に通用する」
という図式が社会全体に刷り込まれてきました。


“ホルホル番組”が作る理想の外国人像

実際の番組ではこんな演出がよく見られます。

  • 白人観光客が「ラーメンはヘルシーで世界一」と褒める → スタジオ大盛り上がり
  • 白人留学生が「日本人は親切」と言う → 出演者が拍手喝采
  • 逆に中国人観光客が同じことを話しても → ワイプのリアクションは薄い

つまり“理想の外国人像”は、
「白人で、日本を無条件に褒めてくれる人」 に限定されているのです。


白人の言葉が「世界の声」にすり替わる危うさ

「欧米で大人気!」「世界が称賛する日本!」
こうしたキャッチコピーも、実際には 白人社会の一部 を切り取っただけ。

たとえば、ある和食チェーンがニューヨークで評判になったときは大きく報じられましたが、
同じチェーンが東南アジアで成功しても、日本のメディアはほぼスルーでした。

結果的に「白人=世界の代表」という構図が繰り返され、
視聴者もその価値観を無意識にインストールしてしまうのです。


劣等感と“白人様フィルター”

この構造の裏には、やはり 見た目に対する劣等感 があります。

  • 背が高く、鼻筋が通った白人モデルが“理想の美”として刷り込まれる
  • 英語を話すと「かっこいい」と言われるが、中国語を話しても褒められにくい
  • 「日本はまだまだ欧米に追いついていない」という無意識の前提

だからこそ「白人に褒められる=一段階上がった気分」になりやすいのです。


多様な視点を欠いた「自画自賛」

本当に“日本の良さ”を知りたいなら、もっと広い視野が必要です。

  • アジアの隣国から見た「日本の課題」
  • 中東やアフリカ出身の人が感じる「日本の不思議」
  • 外国人労働者のリアルな体験談

こうした声を聞かず、白人様の褒め言葉だけを集めて安心していても、
それはただの「ホルホル」であり、自己満足に過ぎません。


まとめ

次に「世界が称賛!」という見出しを見たら、こう考えてみましょう。

  • その“世界”って、誰のこと?
  • それってただの“白人様フィルター”じゃない?

日本が本当に世界と向き合うためには、
白人様だけでなく 多様な声に耳を傾ける姿勢 が必要なのです。